ウエストワールド シーズン3 後半

長くなっていたので後半を分ける。

エピソード5

 これはこれで面白い話ではありますが、やはりかなり急テンポで話が進んでいき、シーズン前半から引かれていた大きな伏線があるわけでもなさそうで、シーズン1や2とのつながりも見出しにくくて物足りなさはありますね。

 エピソード3の32分くらいでドロレスが装着するコンタクトレンズは、映像を見るためのものであったようです。エピソード5の最後をみると、ドロレスはそれでセラックの映像をみているらしいとわかります。エピソード4の時点で、ドロレスがバーナードをいかしている理由はあのスイッチだけなのではないかと思いましたが、このエピソードでの会話を見てるとどうやら違うようです。このエピソードで、バーナードがコネルズに対して「彼女の命令を疑わないのか?」と聞いているところが不自然な気がしましたが、エピソード4を見返すと、バーナードはドロレスが自分の複製をつくったということを気づいていないようにも描かれていますね。

 ケイレブのジャンルは5段階が入れ替わるそうですが、最初の白黒のやつ、続いてのワルキューレの騎行、続いてのドロレスを眺めている場面、続いての駅を歩いている場面で4つだと思われます。5つめは、32分のところで駅の中でネズミの話をし始めるだと考えられますが、「5段階目に気をつけろ」といわれているわりにはあまり重みはないです。

 どうやらケイレブにはまだ語られていない過去があるようですね。終盤で出てくるケイレブの回想(?)の中で、『パーソン・オブ・インタレスト』でエライアを演じていた俳優(エンリコ・コラントーニ)が出ているようにみえますね。エイブラムスのBad Robot Productionのつながりなのでしょう。ケイレブがドロレスの考え方に疑問を抱いているようにみえるのも気になりますが、ドロレスはケイレブを何か理由があって相棒として選んでいるように見えます。

 セラックの腹心の部下と思われるアジア系女性がコネルズと一緒に爆死しますが、エピソード1ではこの女性がリアム・デンプシーと会話するシーンがありました。見返してみると、「誰かがレハブアムへのアクセス権を内部から得ている」というのはドロレスのことなのでしょうかね。

 42分のところでコネルズがバーナードに「不適格者が送られる施設」の情報を見せますが、ここで描かれている建物はシーズン4の最後でウィリアムが送られている施設であるように見えます。残りのエピソードでウィリアムがどう関わってくるかも楽しみですね。

 

エピソード6

 テッサ・トンプソンは非常に難しい役をよく演じているなと思います。ヘイルがシーズン2までとは別人に見えますね。これはエミー賞助演女優賞もあるんじゃないですかね。このエピソードの最後のシーンが今後にどう繋がるかが楽しみです。

 ドロレスはエピソード5の最後で飛行機に乗ってい出てきません。予告などをみるとウエストワールドが出てくるようなので、ドロレスはウエストワールドに向かっているのでしょう。セラックが「全衛星をパークに向けろ」といっていたので、それに対応するためなのかもしれません(といっても何がしたいのかよくわからないですね)。

 ヘイルのなかのドロレスが、ヘクターは殺すけれどメイヴは殺さないのは、単に脚本上盛り上がらないからなのか、それともドロレスが何かしらの理由でメイヴを生かしておきたいからなのかがきになるところです。メイヴは誰かもう一人をプリントしているようなので、これが誰かが気になりますね。

 エピソード4の最後でヘイルがウィリアムに針を刺していたのは追跡するためのようでしたね。コネルズがバーナードに施設の画像を見せていましたが、場所まではわからなかったので、追跡したということなのでしょう。

 シーズン3の副題は「The New World」で、これはドロレスがよく口にしている言葉ですが、これがなんなのかがここまでまったく明かされないのは気になります。そもそも、ドロレスがセラックを倒すというのがどういうことなのかがよくわからないですね。ホストたちにとっては人間たちの世界がある意味「New World」なのですが、さすがにこの副題はそういう意味ではない気がします。シーズン2の最後で「The Door」がなんなのかが手際よく明かされたように、シーズン3の最後でもThe New Worldの内容がうまくそれまでのシーズンの内容と結びついて明かされることを期待したいです。

 シーズン3、ここまでは『パーソン・オブ・インタレスト』を下地に、マトリックスブレードランナーと、ほんの少しのターミネーター感を足したような話になっていますね。ありがちなSFという感じもしてしまい、ウエストワールド独特の魅力があまり感じられないようになってしまっています。残りの2話に期待です。

 

エピソード7

 クレマンタインとHanaryoが出てきますが、Ep.4のところで書いたことを踏まえると、アーノルドの家でプリントした体数と合わなくなります。Ep.6ではセラックは「追加で3体コピーしろ」といっていて、途中でヘイルがみたところだとプリント中であるのは4体いるように思われ、このうちの1体はヘクターであり、また最後のほうでプリントされたばかりのメイヴが誰かをプリントされてくるのを見ています。少し飛んだことを考えると、このエピソードで映るヘイルはセラックが印刷したもので、クレマンタインとHanaryoもその指示下のホストなのかなとも思いましたが、いずれにせよ数が合いません。やはりあのヘイルはこのシリーズの最初から出てきているヘイルなのでしょう。クレマンタインとHanaryoに入っているのはドロレスなのかどうかが気になりますが、Hanaryoのセリフを考えるとドロレスではないように思いますね。

 冒頭でドロレスとケイレブが話しているシーンは、S1のEp.1の冒頭でドロレスとテディが話しているシーン、S2のEp.2の53分のところでドロレスがテディが話しているシーンを思い起こさせます。でも会話の内容にはあまりつながりはないですね。

 SF詰め合わせ感が増しています。突然人類のリーダーになれといわれるケイレブ、これはマトリックスのネオですね。ケイレブを守るドロレスがいますが、これはサラ・コナーを守るシュワちゃんのようにみえます。タイムトラベルはまだ出てきていませんが、シーズン6くらいまでこのドラマが続いたら出てきそう。

 ドロレスとメイヴが戦っていますが、時間を「少ししか」稼げないといっているなど、ドロレスは自分がメイヴに勝てないことを自覚しているような話しぶりなのが気になります。冒頭でケイレブが「どうして軍事用電磁パルスが」といっていますが、おもむろな伏線でした。

 26分のシーンでバーナードがセラックの計画を解説するところは、S2のEp.7でバーナードがウエストワールドの本当の目的について語るシーンを彷彿とさせます。バーナードはこういう説明をする役どころですね。AIで人間を救おうとしたが、人間から人間を救うことはできなかったので、人間を変え始めた、という話です。ソロモンの言い方では、「予測がデータと合わなかったので、データを変えた」となりますね。人間のようなアンドロイドを作れる世界では、人間はアンドロイドのように管理されている、とも言い換えられそうです。

 人間がホストのように扱われている、というのがシーズン3の骨格であるようです。こうみると、シーズン3におけるドロレスとケイレブの関係は、シーズン1におけるフォードとドロレスの関係であるようにも見えます。ウエストワールドは人間(ゲスト)とアンドロイド(ホスト)の関係がS1-S2を通して逆転していくのが脚本の急所だと思っていますが、この構造はシーズン3でも続いているようです。最初はあまり引き込まれなかったですが、2回目をみていると相変わらずよく練られた脚本であるように思います。この考えに従うと、シーズン1の最後でフォードが死んだように、シーズン3の最後でドロレスが死ぬのではないかとも推測できます。そうだとしたら悲しいですが、そういう脚本もありそうですね。

 ケイレブの記憶が改変されているというのはシーズン3最大の種明かしの1つだと思いますが、シーズン3ではやはり視聴者が理解しやすい描かれ方がされていると感じます。シーズン1や2の勢いだったら、ケイレブの改変前の記憶と改変後の記憶はもっとシーズンの前半でごちゃ混ぜにえがかれているような気がします。

 特にまとまりはありませんが、最終エピソード8が楽しみですね。