大塚淳『統計学を哲学する』について

この記事は、大塚淳『統計学を哲学する』(2020年、名古屋大学出版会)についての記事である。特に、哲学の観点から、本書における認識論への言及について論じる。 先に自己紹介をしておこう。私は数年前に大学院の修士課程を修了し、それ以降は特に哲学とは…

現代認識論のひとつの紹介

(公開後、2018/3/25に日本語文献を中心に何か所か加筆しました。) この記事は、学部後半から修士2年の現在に至るまで分析哲学における認識論を勉強/研究してきた私の視点と関心から、私が読んできた文献を紹介してみることによって、現代の認識論を紹介し…

宝くじの問題?

前回に引き続いてまた宝くじに関して。 (頁数は特別の文脈を除いてHawthorne (2004)の頁数を指示している。) 今回は、John Hawthorne (2004), Knowledge and Lotteriesなどで論じられている宝くじが関連する問題(「宝くじの問題」とよぼう)に着目してみた…

宝くじのパラドクス

(注:2016/06/03ごろに多少手を加えました。) twitterで以下のようなアンケートをやってみたこともあって、これが引き起こすいわゆる「宝くじのパラドクス[lottery paradox]」という問題について簡単に解説しようと思います。急いで書いたので間違っている…